【京都市】税理士変更時の手続きと引継ぎでトラブルを回避する実践法 | 開業支援/設立支援/組織運営/税務・会計サポートのことなら

新しい税理士の選定と契約

税理士変更を決定したら、まず新しい税理士を探すことから始めます。京都市内には多くの税理士事務所がありますが、自社のニーズに合った事務所を選定することが必要です。面談を通じて料金体系やサービス内容を確認することをおすすめします。

契約解除の申し出と必要書類の準備

現在の税理士に契約解除を申し出る際は、感謝の気持ちを込めて丁寧に伝えることが大切です。口頭での申し出後、必ず書面でも正式に通知しましょう。同時に、引継ぎに必要な書類の返却を依頼します。

返却してもらうべき主要書類

返却してもらうべき書類には、総勘定元帳や試算表などの会計帳簿があります。また、過去3年分の決算書と申告書控え、税務署への各種届出書類の写しも必要です。さらに、領収書や請求書などの証憑書類、給与台帳や源泉徴収簿などの給与関連資料も含まれます。これらの書類は新しい税理士が業務を開始する際に必要不可欠です。

引継ぎ作業と業務開始

書類の受け渡しが完了したら、新しい税理士との引継ぎ作業に入ります。会計ソフトのデータ移行や過去の取引内容の確認、今後の業務方針についての打ち合わせを行います。期間は通常1か月から2か月程度を要するため、決算期から十分に余裕をもったスケジュールで進めることが必要です。

税理士変更は、適切な手順を踏めば決して困難な手続きではありません。計画的に進めることで、業務の継続性を保ちながらスムーズな移行が実現できます。

書類の完全性確認と優先順位付け

引継ぎで最も大切なのは、必要な書類が漏れなく揃っているかの確認です。前任の税理士から受け取る書類には優先順位があり、とくに緊急性の高いものから順次確認していく必要があります。

最優先で確認すべき書類

総勘定元帳や試算表は会社の財務状況を把握するために不可欠です。決算書と法人税申告書の控えは過去の処理内容を理解するために必要で、通常は過去3期分を確保します。税務署への各種届出書類は今後の申告に影響するため、青色申告承認申請書や消費税課税事業者選択届出書などの写しも必須です。

期中データと証憑書類の確認

会計ソフトのデータや仕掛中の取引については、最新の状況まで正確に反映されているかを確認します。領収書や請求書、契約書などの証憑書類は税務調査時に必要となるため、保存期間内のものは確実に受け取りましょう。

特殊取引と会計処理の引継ぎ

新しい税理士が最も困るのは、特殊な会計処理や取引の背景がわからないことです。過去に行った特別な処理については、その理由と根拠を明確に伝える必要があります。

必須の引継ぎ事項

減価償却方法の選択や評価方法の変更履歴、過去の税務調査での指摘事項と対応状況、継続的な取引先との特別な契約条件などは詳細に説明しましょう。節税対策として実施している処理や将来の税務リスクについても共有することが大切です。

引継ぎ期間中のコミュニケーション管理

引継ぎ期間中は、前任の税理士、新しい税理士、経営者の三者間でのコミュニケーションが大切になります。大切な事項については必ず書面で確認し、引継ぎの進捗状況を定期的にチェックしましょう。疑問点があれば遠慮なく質問し、曖昧な状態を残さないことが成功の鍵となります。

契約解除に関するトラブル

税理士変更で最も多いトラブルは、契約解除のタイミングや方法に関するものです。契約書の内容を十分に確認せずに解除を申し出ると、予期しない違約金が発生する場合があります。

契約解除期間の見落とし

多くの税理士契約では、解除の1か月から3か月前までに書面による通知が必要とされています。期間を守らない場合、契約の自動更新が適用されたり、違約金の支払いが求められたりします。

解約時期の調整不備

決算直前の解約申し出は、前任の税理士と新しい税理士の双方にとって負担となります。適切な解約時期を見極めずに進めると、引継ぎが不完全になったり、申告業務に支障をきたしたりするリスクがあります。

書類返却と引継ぎに関するトラブル

引継ぎ段階で発生するトラブルも深刻な問題となることがあります。とくに前任の税理士との関係が悪化している場合、書類の返却が滞ります。

必要書類の返却拒否

稀なケースですが、解約を快く思わない税理士が会計データや大切な書類の返却を拒む場合があります。これらの書類は本来会社の所有物であり、税理士には返却義務があります。毅然とした態度で要求を伝え、必要に応じて税理士会への相談も検討しましょう。

データ形式の不適合

会計ソフトの違いにより、前任の税理士からのデータが新しい税理士のシステムで利用できない場合があります。事前に両者の使用システムを確認し、データ移行の方法について協議しておくことが必要です。

業務継続性に関するトラブル

税務申告の期限が迫っている時期の変更は大きなリスクを伴います。引継ぎが長期化すると、申告期限に間に合わないおそれがあります。十分な引継ぎ期間を確保し、適切な計画と準備により、これらのトラブルは回避できます。